測温抵抗体や熱電対の素子を用いたものなど温度センサにはさまざまな種類がありますが、温度センサは温度記録や温度調整など温度管理にはなくてはならないものです。しかし、温度センサは長期間使用していると誤差が出てくることも少なくありません。そのため、温度センサを使用している場合は最低でも年に1回は校正を行うことが必要です。中でも、感湿部が化学物質で出来ている高分子センサタイプの温度計の場合は、経年変化は避けられず、微量の化学成分の付着やちょっとした汚れが付いただけでも変化要因となるため、その分誤差が生じやすいという面があります。どんなタイプの温度センサも、出荷時は高精度であっても1年後に校正に出してみると標準器と比べて器差確認される場合もざらに起こるため、温度センサの校正は必要不可欠です。
温度センサの校正方法には4種類あります
品質管理において温度測定はさまざまな場面で行われますが、その際使用する温度計の精度を維持するためには、温度測定に使用している温度センサを定期的に校正することも重要です。温度計などの温度センサの校正方法には標準温度計を使って行う方法や複数の温度計を集めて相互比較する方法など大きく分けて4つの方法があります。中でも、校正方法の中でもっとも精度が高いのが標準温度計を用いて行う方法で、標準温度計を用いた校正方法は主に食品取扱施設で多く採用されています。施設内すべての温度計の指示値を比較して校正を行うため、標準温度計を用いた校正方法は校正方法の中でも高精度で、校正の主流方法となっています。しかし、標準温度計の購入費用をはじめ、標準温度計自体の外部校正費用も必要となるためコストがかかるなどのデメリットもあるため、校正方法を選択する際にはしっかり検討した上で選ぶことが大切です。
どんなに優しい環境であっても温度センサの校正は必須
温度管理は温度センサから始めるといっても過言ではなく、徹底した温度管理を行うためには定期的な温度センサの校正も欠かせません。実際、温度センサの校正というのは、校正を定期的に繰り返すことで一定の期間内でどの程度の器差が生じる可能性があるのかなど傾向を把握することはできる場合もありますが、それまで行ってきた測定結果の信頼性の裏付けを行うためのものであって、今後の測定結果を担保するという意味のものではなく、定量化し保証できるものでもありません。また、どんなに優しい環境であっても長く使っていれば温度センサの器差は生じてしまうため、製品の現状を確認する上でも1年に1回の校正は必須ですが、そのためには、日頃からどんな場所で、どのような用途で使用するのか、万が一何か問題が起こった場合の遡及措置はどこまで対応可能か等、さまざまな要因を分析して、校正計画を立てることも大事です。
私共が申し上げたいお客様へのメッセージはただひとつ、お客様の適正な電気の取引を私共が全力で見守ります。JCSS校正は、計量法校正事業者登録制度(JCSS)の登録事業者として、国際規格ISO/IEC 17025(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項)に基づき、特定二次標準器又は常用参照標準器を用いてお客さまの標準器,計測器等の校正を行います。 温度の校正のことなら日本電気計器検定所で